朝の青森駅にやってきました。
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青森には鉄道旅に加えて,大学時代に自転車の合宿で十和田湖周辺や奥入瀬渓谷などをバリバリ走ったこともありますが,地味に二つの半島が手付かずになったままでした。
そういうわけで,週末2日で津軽・下北の両半島を大回りする旅行を計画しました。
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新青森から新幹線に乗り換え,日本一の新幹線秘境駅と名高い奥津軽いまべつ駅にやってきました。
一日の利用客数は30人程度で,駅前ロータリーの目の前は森になっております。
付近には8月の豪雨災害で不通になっている津軽線の津軽二股駅があり,駅舎を兼ねている「道の駅いまべつ」で買い物や食事が可能です。それ以外は本当に何もありません。
JRマークが緑→黄緑に変わっているのがちょっとテンション上がるくらいです。
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 三厩駅前でコミュニティバスを乗り継ぎ,海沿いの道路を北に向かいます。
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そういうわけで,最果ての龍飛崎にやってきました。
事前知識がないと分からないことですが,写真中央に見えている小島のすぐ右の海底を青函トンネルが貫いています。そのトンネルは,はるか向こうの北海道へと続いていきます。
一年を通して台風のような強風が吹き付ける龍飛崎ですが,この日は風もなく穏やかな快晴でした。
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青函トンネル記念館を訪ね,ケーブルカーで先進導坑を見学。
世界で前例のない海底トンネルを手探りで掘り進めたその坑道は,壁面の傷ひとつひとつから男たちの思いが伝わるようでした。
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34柱の殉職者のために捧げられた慰霊碑も訪ねました。
龍飛崎の一角に佇むその慰霊碑には,平成の天皇陛下も訪れています。私が今回龍飛崎まで足を伸ばしたのも,この方々の足跡に触れるためであったのかもしれない,と思います。
海底深くで志半ばの死を遂げた英雄たちの生き様は,この国で鉄路が走り続ける限りいつまでも語り継がれるでしょう。鉄道ファンならば誰でも皆,あの海底トンネルを通るたびに,必ず彼らの存在を思い起こすからです。
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龍飛崎の突端には防衛省のレーダー施設が配置されています。
国際海峡たる津軽海峡には,見慣れたフェリーのみならず,巨大なコンテナ船も行き交います。物流の要衝であり,国防の最前線でもあるのです。
それにしてもこの日は素晴らしい青空でした。
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 次来るときには,津軽線が復旧しているとよいのですが。
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奥津軽いまべつに戻り,秘境駅ゆえ二時間くらい列車待ちして北行きの新幹線に。
世界一の海底トンネルを越え,函館で投宿しました。

(2日目へ)