今年の桜はあっという間でしたね。
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職場近くの名所に行ってきましたが,既に葉混じりでした。
さて,弊ブログでは毎年春に生存報告の記事を投稿するのが習わしになっているので,今年も書いておくことにします。

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去る4月6日,陸上自衛隊のヘリコプターが宮古島沖で消息を絶ちました。
昨今の不安定な東シナ海情勢に加え,第8師団長を筆頭に高級幹部が搭乗していたことから,日本中に衝撃を持って伝えられました。
墜落するに至るまでの搭乗員の方々の恐怖は想像を絶するものですし,志半ばで命を絶たれた無念さはいかばかりかと言葉もありません。

遡ること7年前になりますが,2016年4月6日に航空自衛隊の飛行機が鹿児島県鹿屋市の山中に墜落する事故がありました。私は大学に入った直後でしたから,これが命を懸ける仕事なのだと教えられたような気持ちになったことを思い出します。

軍事には「統率」という学問領域があります。指揮官が部下を統率するには豊富な知識やリーダーシップなど様々な素養が求められますが,大切なのは指揮官の「死生観」なのだと教えられました。

事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。

自衛官は任官するときにもれなく,このような宣誓を唱えます。
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呉で昔潜水艦に乗っていたおじさんに「潜水艦乗りはキリスト教徒が多いんだよ」と教えてもらいました。これは潜水艦勤務とキリスト教信仰に親和性があるという意味だけではなさそうです。常に死と隣り合わせにある海の中において,揺るぎない死生観がなければ確実に任務は遂行できないということなのではないでしょうか。

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この春,大阪の国立民族学博物館で「ラテンアメリカの民衆芸術」展が開催されているので見に行ってきました。
写真の動物はメキシコの民間信仰から生まれた木彫りの作品で,シャーマンが動物に変化した姿とされます。
わざわざ大阪まで行った甲斐あって,人間が生み出す芸術の創造性と多様性に圧倒されて帰ってきました。
私が文化人類学,とりわけ移民文化などに興味を持ったのは大学に入ってからでした。人間の大いなる営みを見つめることを生業にできていたらよかったと思うこともあります。しかしながら,私が今やっている仕事も,この大いなる営みの一部分なのかもしれないなと思えたりもします。

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最近,水生生物の魅力に気付いてしまいました。
板橋区立の熱帯環境植物館が安くて穴場。地下の水族館では熱帯の魚から淡水のエイまで見られます。色も形も様々な水生生物を眺めていると,胸の奥底から感嘆の念が湧き上がってきます。
私が気に入ったのは黄色い熱帯魚。この美しい模様を美しいと思うことができるのは人間にだけ与えられた特権です。自然の神秘を思うとき,それを讃える心を与えられたわたしたち人間という存在の神秘にも思いを致さずにはいられません。

このところ本業の勉強をサボりがちなので,頑張っていきたいと思います。